AI時代に「情報発信」で生き残る人、消える人
最後に差がつくのは、結局、泥臭い経験とセンス
「前と同じように発信しているのに、全然伸びなくなった」
「役に立つ情報を出しているはずなのに、反応がない」
「AIを使えばコンテンツが作れるはずなのに、なぜか成果につながらない」
最近、こんな声をよく聞くようになりました。
昔は、有益な情報を出せる人が強かった。
正しい知識をわかりやすくまとめられる人が選ばれた。
誰かの悩みに対して、答えを提示できる人に価値がありました。
でも今は、少し違います。
AIが出てきたことで、情報をまとめること、構成を作ること、要約すること、文章を整えることは、以前よりずっと簡単になりました。
“それっぽく整った情報”を出すことのハードルは一気に下がった。
だからこそ、今はただ有益な情報を出すだけでは選ばれにくくなっているのだと思います。
では、AI時代に情報発信で生き残る人は、どんな人なのか。
それは、AIを使いながら、自分にしか作れないオリジナルコンテンツを作れる人です。
そして、その土台にあるのは、結局とてもアナログなものです。
人と会うこと。
体験すること。
失敗すること。
現場の空気を感じること。
良いものを見て、自分の目で判断すること。
センスを磨くこと。
自分の世界観を持つこと。
一周回って、ものすごく泥臭いものが大事になってきている。
今日はその話を書いてみます。
「情報」の価値は下がった
まず、前提として押さえておきたいことがあります。
今は、AIが台本を書き、要約を作り、構成案を出し、リサーチの補助もしてくれる時代です。
「YouTubeの伸ばし方」
「Instagramの投稿ネタ」
「売れるLPの構成」
「初心者向けの副業の始め方」
「ダイエットで大事なこと」
「SNS集客の基本」
こういう情報は、もうAIに聞けば一瞬で返ってきます。
昔なら、いくつもの記事を読み、動画を見て、自分で整理しなければいけませんでした。
でも今は、AIがかなりわかりやすく整理してくれます。
つまり、これまで発信者が価値として出していた
正しい情報
網羅的な説明
わかりやすい要約
論理的な構成
手順の整理
こうしたものだけでは、以前ほど差がつきにくくなったということです。
情報そのものの価値がゼロになったわけではありません。
間違ってはいけないし、薄い内容では意味がない。
基礎知識やノウハウは、今でも必要です。
でも、情報を整理できること自体は、もう特別ではなくなった。
ここが、今の情報発信でまず理解しなければいけないことだと思います。
情報が増えすぎて、人は逆に動けなくなった
そしてもう一つ、大きな変化があります。
それは、発信者側だけではなく、受け取る側も情報過多になっているということです。
昔は、今ほど情報が多くありませんでした。
だからこそ、
「この人の言うことを信じてやってみよう」
「まずはこの方法で進んでみよう」
と、一つの情報を信じて行動に移しやすかった。
でも今は違います。
YouTubeを開けば、いくらでもノウハウ動画が出てくる。
Instagramを開けば、毎日のように有益投稿が流れてくる。
AIに聞けば、数秒でそれっぽい答えが返ってくる。
情報が足りないのではなく、情報が多すぎるのです。
その結果、何が起きているか。
多くの人が、行動する前に疲れてしまっています。
調べる。
比較する。
また別の動画を見る。
AIに聞く。
さらに別の意見を探す。
保存する。
メモする。
でも、結局やらない。
一日中インプットしているのに、アウトプットはほとんどしていない。
そんな人が、かなり増えているように感じます。
AIはとても便利です。
でも、便利すぎるからこそ、逆に迷う。
どれが正しいのか。
どれを信じればいいのか。
自分は何から始めればいいのか。
結局、誰の言葉を信じればいいのか。
ここがわからなくなってしまう。
つまり、AI時代の問題は、情報不足ではありません。
情報が多すぎて、行動できなくなることです。
だからこそ、これからの発信では、
「何を言うか」以上に、誰の言葉なら信じて動けるかが重要になります。
人は、情報が多すぎると動けなくなります。
でも、
「この人の考え方が好き」
「この人の世界観が好き」
「この人の言葉なら信じてみたい」
と思える人がいると、情報を絞れるようになります。
あれもこれも見なくていい。
全部を比較しなくていい。
まずはこの人の言うことを信じてやってみよう。
そう思えたとき、人はようやく行動できます。
だから、AI時代に強い発信者は、単に情報をたくさん出す人ではありません。
情報の海の中で、視聴者が迷わないための“基準”になれる人です。
この人の見方なら信じられる。
この人の順番で進めれば大丈夫。
この人の世界観の中にいれば、自分も前に進める。
そう思ってもらえること。
これが、これからの発信者にとって、ものすごく大きな価値になります。
その人をその人たらしめる何か・・・そうブランディングです。
私がYouTubeを始めた頃は、有益情報そのものが差別化だった
私がYouTubeチャンネルを開設したのは、2016年でした。
そして2017年頃には、キーワード選定のやり方、記事の書き方、Web集客の考え方など、かなり個別具体的なノウハウを発信していました。
当時は、今のようにビジネス系YouTuberがたくさんいたわけではありません。
YouTubeで、ビジネスノウハウを体系的に発信している人はまだ少なかった。
だから、正直その頃は、有益な情報をわかりやすく届けること自体が差別化になっていました。
「この人の動画を見ると勉強になる」
「ブログやWeb集客のことがわかる」
「具体的に何をすればいいかが見える」
そう思ってもらえることが、そのままポジションになっていた時代です。
でも、2018年後半から2019年頃にかけて、空気が変わっていきました。
ビジネス系YouTuber、投資系YouTuber、教育系YouTuber。
そうした人たちが目立ち始め、YouTubeは単なる娯楽の場所ではなく、個人が専門性を発信し、ビジネスにつなげる場所になっていきました。
実際、YouTube全体でも2018年には登録者100万人超のチャンネルがほぼ倍増し、5桁・6桁ドルを稼ぐクリエイターも40%以上増えたと報じられています。
それまでは、YouTubeでビジネスノウハウを話しているだけでも珍しかった。
でも、だんだんそれが当たり前になっていった。
そして今は、さらにAIがあります。
正しい情報。
網羅的な情報。
きれいに整理されたノウハウ。
わかりやすい要約。
こうしたものは、以前ほど希少ではなくなりました。
だから、今はもう、ただ有益な情報を出すだけでは選ばれにくい時代になっているのだと思います。
AIを使って差がつくのは、オリジナルに昇華できるか
私は、AIは使った方がいい・・・というか、もう使わないとやってけないと思います。
構成案を出す。
情報を整理する。
たたき台を作る。
リサーチの補助に使う。
複数パターンを出して比較する。
こういう作業は、AIを使った方が圧倒的に早いです。
でも、問題はその先。
AIが出してきたものを、そのまま出すのか。
それとも、自分の経験や視点を通して、オリジナルコンテンツに変えるのか。
ここで大きな差がつきます。
たとえば、AIに
「YouTubeで伸びる方法を教えて」
と聞けば、それっぽい答えは出てきます。
サムネイルが大事。
タイトルが大事。
視聴維持率が大事。
投稿頻度が大事。
ターゲット設定が大事。
もちろん、間違ってはいません。
でも、それは誰でも言えることです。
そこに価値が生まれるのは、
「私は実際にこういう動画を作って、ここで失敗しました」
「このジャンルではこのサムネが効いたけれど、別ジャンルでは逆効果でした」
「受講生を見ていると、伸びない人はここでつまずいています」
という具体的な経験や判断が加わったときです。
AIが出してきた一般論に、
自分の現場感、失敗、体験、思想、判断基準を加える。
そのとき初めて、コンテンツは“その人のもの”になります。
この記事も、AIでポン出ししているわけではない
ちなみに、この記事もAIに
「AI時代の情報発信について記事を書いて」
と頼んで、ポン出しでそのまま載せているわけではありません。
まず私が、音声入力で1から10まで喋っています。
今感じていること。
現場で見ていること。
ビジネス学園で受講生と関わる中で感じていること。
AIを使ってコンテンツを作る中で気づいたこと。
YouTubeを2016年から続けてきた中で見えてきた変化。
そういうものを、まず自分の言葉で話し倒しています。
その上で、AIを使って構成を整えたり、言葉を磨いたり、読みやすくしたりしている。
つまり、AIを使ってはいます。
でも、AIに考えてもらっているわけではありません。
この違いは、かなり大きい。
AIに丸投げした文章は、きれいにはまとまります。
でも薄い。
どこかで見たような言葉になる。
その人の温度や、現場感や、迷った痕跡が消えてしまう。
一方で、自分の中にあるものを一度全部出してからAIを使うと、AIはかなり効率化してくれます。
散らばった言葉を整理してくれる。
話の順番を整えてくれる。
読者に伝わりやすい形にしてくれる。
でも、核にあるのは自分の経験や考えです。
これからの時代に大事なのは、まさにここ。
AIを使うかどうかではなく、
AIに渡す前に、自分の中に語るべきものがあるか。
自分の経験。
自分の視点。
自分の違和感。
自分の判断基準。
自分の言葉。
それがある人がAIを使うと、コンテンツの質は高くなりますよね。
でも、それがないままAIに頼ると、どれだけ整っていても、誰のものでもない文章になってしまいます。
オリジナルコンテンツの源泉は、泥臭い体験
AIに代替できないものは何か。
私は、かなりシンプルだと思っています。
人と会うこと。
思い出を作ること。
体験を作ること。
これらは、AIには決して取って代わることができません。
そしてこれは、私が今ビジネス学園でやっている活動そのものでもあります。
人と会う。
同じ時間を共有する。
悩みを聞く。
表情を見る。
空気を感じる。
その人が少し前に進む瞬間に立ち会う。
こういうものは、一見すると効率が悪いです。
AIに比べれば、時間もかかります。
手間もかかります。
予定も合わせなければいけません。
人間関係ならではの面倒くささもあります。
でも、だからこそ価値があります。
AIは、誰かと一緒に悩んだ時間を持てません。
AIは、セミナー後の空気感を体験できません。
AIは、受講生の表情が変わった瞬間を肌で感じることはできません。
AIは、誰かの人生が少し前に進んだときの重みを知りません。
そういう体験があるから、言葉に温度が出る。
だから私は、AI時代だからこそ、人と会うことや、現場で体験することの価値は、むしろ上がっていくと思っています。
最後に必要なのは、良し悪しを判断する「目」
AIを使いながら作業をしていると、結局最後に一番大事になるのは、判断する目です。
AIが出してきた文章を見て、
「これはきれいにまとまっているけど、心が動かない」
「これは正しいけど、浅い」
「この言い方はうちの視聴者には刺さらない」
「この表現は少しAIっぽい」
「ここに自分の経験を足した方がいい」
と判断できるか。
AIが作った画像を見て、
「見た目は整っているけど、世界観が違う」
「色味がうちのブランドに合っていない」
「情報量が多すぎる」
「余白が気持ち悪い」
「これはパッと見で伝わらない」
と判断できるか。
AIが出した企画を見て、
「一般論としては正しいけど、今のタイミングではない」
「このネタはもうみんなが知っている」
「もっと意外性が必要」
「これは動画よりSubstack向き」
「これはInstagramストーリーの方が刺さる」
と見抜けるか。
ここに差が出ます。
そして、この目は、プロンプトの上手さだけでは育ちません。
これまでどれだけ現場で見てきたか。
どれだけ人の反応を受け取ってきたか。
どれだけ良いものと悪いものを比べてきたか。
どれだけ自分で作って、失敗して、修正してきたか。
その積み重ねが、最終的な「目」になります。
AI時代に強い人は、AIの出力をありがたがる人ではありません。
AIの出力を見て、
「これは使える」
「これは違う」
「ここを直せば良くなる」
と判断できる人です。
センスは、生まれつきではなく磨くもの
あと、かなり重要になるのが感性やセンスです。
ただ、センスというと、
「生まれつきの才能」
「一部の人だけが持っているもの」
のように思われがちです。
でも私は、センスは磨けるものだと思っています。
センスとは、自分が
「良いな」
「素敵だな」
「品質が高いな」
と感じるものが、世の中の人にとっても
「良い」
と感じられるかどうか。
その感覚の精度です。
たとえば画像を作るとき。
AIは、それっぽい画像を出してくれます。
でも、その画像が本当に使えるかどうかは、人間が見なければいけません。
この色味は合っているか。
文字の余白は気持ちいいか。
情報量は多すぎないか。
ブランドの世界観に合っているか。
視聴者が見たときに、どんな感情になるか。
こういう判断は、センスです。
でもそのセンスは、何もせずに身につくものではありません。
良いものを見る。
真似して作る。
比較する。
違和感を言語化する。
人の反応を見る。
修正する。
この積み重ねで磨かれていくもんです。
だから結局、一周回って泥臭いんです。
AI時代に必要なのは、AIに全部任せることではなく、AIが出したものを見て、
「これは違う」
「ここを直せば良くなる」
「これなら人に届く」
と判断できる自分の目を育てることなのだと思います。
コンセプトは、生き残るための強い武器になる
AI時代に生き残るための要素として、もう一つ大事なのがコンセプトです。
情報発信には、大きく3つの階層があります。
ジャンル
テーマ
コンセプト
ジャンルとは、大枠の方向性です。
YouTube運営、ダイエット、美容、副業、投資、子育て、英語学習、オンラインビジネス。
どの市場で発信するのか、という部分です。
テーマとは、そのジャンルの中で扱う切り口です。
YouTube運営なら、サムネイル、タイトル、視聴維持率、商品導線、収益化、ショート動画、チャンネル設計など。
ここまでは、正直ライバルと被ってもいいと思っています。
というより、需要がある場所には必ず競合がいます。
競合がいない場所は、ブルーオーシャンではなく、単に需要がないだけの場合もあります。
だから、ジャンルやテーマが競合と被ること自体は問題ではありません。
本当に差がつくのは、その先です。
コンセプトです。
コンセプトとは、同じジャンル・同じテーマの中で、
「なぜこの人を見たいのか」
「なぜこの人から学びたいのか」
「なぜこの人の世界にいたいのか」
を決める部分です。
差別化だし、世界観だし、ブランディングの部分。
たとえば同じYouTube運営を教えるチャンネルでも、
先生のように教えるのか。
友達のように寄り添うのか。
研究者のように分析するのか。
辛口でズバッと言うのか。
癒し系で安心させるのか。
ドキュメンタリーのように見せるのか。
バラエティのように楽しませるのか。
これだけで、まったく別のチャンネルになります。
扱っているテーマは同じでも、視聴者が受け取る感情はまったく変わります。
そしてAI時代に一番大切になるのが、このコンセプトです。
AIは情報を整理できます。
テーマも提案できます。
台本の構成も作れます。
でも、
「どんな世界観で届けるのか」
「どんな空気で視聴者を迎えるのか」
「どんな感情を残すのか」
「この人らしさをどう演出するのか」
ここは、発信者が決めなければいけません。
実際に YouTubeだと、伸びるかどうかはジャンル/テーマ選びと演者の魅力の2強だと思いいます。
意外とかなりニッチで需要がなさそうな市場に参入しても、演者の魅力が強ければ伸びちゃう場合も結構ある。
タレント性は、最強の独自性。
コンセプトは、演出要素の組み合わせでできている
コンセプトというと、べつに演者のタレント性だけじゃないんですよ。
じつはけっこう色々な要素の組み合わせでできています。
たとえばYouTubeなら、
撮影場所。
背景。
色味。
服装。
話し方。
声のトーン。
BGM。
テロップ。
編集テンポ。
カメラワーク。
サムネイル。
決め台詞。
視聴者の呼び方。
キャラクター設定。
動画の構成。
画面の余白。
使う言葉。
毎回の導入。
締め方。
こうした細かい要素が積み重なって、視聴者の中に
「このチャンネルっぽい」
「この人の世界観が好き」
「なんか落ち着く」
「また見たい」
という感覚が生まれます。
つまり、コンセプトとは単なるキャッチコピーではありません。
視聴者がそのチャンネルに触れたときに感じる、空気そのものです。
そしてこの空気は、1つの要素だけで作られるものではありません。
白背景なのか。
本棚背景なのか。
自宅のリビングなのか。
スタジオ風なのか。
話し方は、敬語なのか。
タメ口なのか。
先生のように教えるのか。
友達のように話すのか。
編集はテンポよく進むのか。
ゆっくり余韻を残すのか。
BGMはあるのか。
環境音を活かすのか。
すべてがコンセプトを作っています。
だから、コンセプト設計とは、
「何を発信するか」だけを決めることではありません。
視聴者にどんな感情を残すかを、演出として設計することです。
AIは敵ではなく、拡張アイテム
AIは敵ではなく、道具です。
もっと言えば、拡張アイテムです。
AIに任せていいことは、たくさんあります。
構成案を出すこと。
情報を整理すること。
パターンを出すこと。
下書きを作ること。
リサーチの補助をすること。
言い換え案を出すこと。
これはAIが得意な領域です。
でも、
何を語るか。
なぜ語るか。
どこまで踏み込むか。
何を良しとするか。
どんな感情を残すか。
最後にどれを選ぶか。
ここは人間が握らなければいけません。
ここを手放したら、発信者としての価値はなくなります。
逆に言えば、この思想の部分さえ自分で握っていれば、AIをどれだけ使っても、発信の価値は落ちません。
AIは、経験のない人を発信者にしてくれる魔法ではありません。
でも、経験のある人が使えば、その経験をより速く、より美しく、より伝わりやすく届けるための強力なツールになります。
まとめ:一周回って、アナログが最強になる
AI時代に生き残るのは、AIを使わない人ではありません。
AIを使いながら、自分にしか作れないオリジナルコンテンツを生み出せる人です。
そしてその源泉は、結局とてもアナログです。
人と会うこと。
体験すること。
失敗すること。
感情が動くこと。
良いものを見て、違いを感じること。
自分の目で判断すること。
AIが進化すればするほど、人間にしかできない泥臭い積み重ねの価値は、むしろ上がっていく。
だから私は、これからの情報発信で一番大事なのは、AIの使い方そのものではなく、AIに渡せるだけの経験と、AIの出力を見極める目を持つことだと思っています。
一周回って、アナログが最強になる。
これが、今の私の結論です。














